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マスメディア

2009年9月23日 (水)

情報処理学会のサイトに鳩山首相の寄稿が公開される

鳩山首相、東京大学工学部で経営工学を専攻したという経歴もあり、IT関係にも明るいのではないかと期待していいかもしれません。

今回の総選挙で民主党が圧勝したのは、もちろん小選挙区制の性格によるところが大きいのですが、ITの発展で口コミによる宣伝効果の速度や範囲が、これまでになく速く広くなったことも理由のひとつといえるかと思います。いわゆる「無党派層」のキャスティングボートが、過去になかったほどに強くなっているわけですが、選ぶ側も選ばれる側もその状況に対応し切れているようには見えません。

民主党のマニフェストには上がっていなかったか、あっても大きく取り上げられることはなかったのですが、ITを利用した選挙運動を積極的に行えるように、法律や制度を改めていく必要を感じます。時期的には遅いくらいですが、政権交代もなされたことですし、自民党ではできなかった改革を断行するという意味でも、今やる価値は十分あると思うのですが。この点については、首相の見解に賛同できます。

メディア論についても、ライブドアショックの時期の寄稿であり、現状との状況の違いはありますが、マスメディアの寡占という形が好ましいとはいえないでしょう。ただ、それに代わるものが提示できないこともあり、ただマスメディアをつぶせばいいというものでもないというのが難しいところ。たとえば時事報道に関して言えば、起こったことや取材された内容を、編集の手を加えることなく生のまま見られる仕組みがあればいいのですが、そのような仕組みは作られていませんし。

選挙にしてもメディアにしても、誰でもある程度の問題意識は持っていると思います。重要なのは、それを文章という形にして、一国の首相が意識している点でしょう。今回の鳩山内閣には、民主党が政権政党としてふさわしいかどうかの試金石的意味合いもあるかと思います。言い換えれば、この総選挙で変革に期待して民主党に投票した人が、次も民主党に投票するかどうかは、今後の政府や民主党次第といえるでしょう。革命的な大変革は望まないものの、変化を実感させる何かを見せてほしいと思うところです。

2009年7月 2日 (木)

朝日新聞、CNET Japanなどを買収。ネットメディア再編?

既存マスコミがネットメディアを買収ですか。逆向きの展開でマスメディア解体、のほうが面白い (無責任ですみません) のですが、資本力ではマスメディアが桁違いに強いのは確かですからね。

まず気になったのは、大手メディアのうち、少なくとも朝日・読売・毎日・日経がCNET Japanの記事を利用してきていたのですが、この関係がどうなるのか、ということです。普通に考えれば朝日が競業他社に記事を使わせる可能性はないので、各社のIT関連記事のスタンスが変わってくるかもしれません。もっとも、毎日はマイコミ、日経はITProがありますから、ダメージは限定的と思いますが (とすると、次は読売とITmediaとか……。ないって (笑) ) 。

時代の流れとしてしまうには、むしろ逆行しているわけで、何が起こっているのか考えるべきだろうと思います。既存マスメディアがネット社会に向けて舵を切ろうとしているのか、それとも本当に逆行しているだけなのか。今回の買収は特殊な事例なのか、時代の趨勢なのか。

利用者の立場からいえば、ネットメディアの記事とマスメディアのネット記事は、何か月~何年という単位で時間がたってもネット上で読めるかどうかという意味で、利便性に大きな違いがあります。これはネットを文字通りメディア (媒体) とするのか、広告宣伝の手段としているのかの差であるのですが、やはり利用する側としてはいつまでも消えないという安心感がほしい。CNET Japanが朝日新聞に買収されても、古い記事はいつまでも残っていてほしいですね。

2009年5月11日 (月)

パナと東芝、デジタル放送用DVDレコーダーに補償金を上乗せせず

解説するだけでも難しい問題。何がどうあるべきか、あまり短絡的な主張もどうかと思いますし、かといって現状追認も何かイヤだし。

「私的録画補償金」というものがあります。著作権法で、私的使用のための著作物の複製が認められているのですが、テレビ番組についてはその録画装置 (要するにビデオデッキ) に補償金がかけられ、著作者に分配される仕組みになっています。デジタル放送でもこの図式は変わらないはずなのですが、コピーワンスやダビング10など、認められているはずの複製に制限が加わっており (これをかいくぐって複製するのは違法) 、補償金との整合性が疑問視されています。

補償金の問題については、家電メーカーと著作権管理団体が議論を重ねていますが、まだ結論は出ておらず、今回のような動きとなった模様。家電メーカーは自社製品のコストを抑えたい、管理団体は補償金は必要ということで、折り合いがつかなさそうです。

よく指摘されることですが、視聴者と著作権者が、この議論から外れてしまっています。そこにこの問題の根本的な原因があるのかもしれません。つまり、本来は文化の発展のために定められた著作権が、その主要なプレイヤーを欠いたまま、お金の問題として扱われていることで、問題の本質が見えなくなっているということです。

お金の問題で文化の発展が停滞しては困る。かといって、進んでお金を払おうという視聴者がどれだけいるか。タダで見られるならそうする、という人が大多数ではないか。もちろんお金の問題を切り離して論じるわけにも行かず、何がどうあるべきかは非常に難しい問題といわざるをえません。

著作権者――我々もその仲間に入るのですが――が、作品を世に提供し続けるモチベーションを維持できればよいのですが、それがどういった方法であるべきか。現状がよいとは思えないものの、現状より良い方法があるかというと、ないのではないかという気もします。

2009年1月15日 (木)

Google検索1回で7gのCO2を排出?実は誤報?@英国

7グラムは、やかんでお湯を沸かすときに発生する二酸化炭素の半分に相当するらしいです。

で、これが誤報らしい。日本なら「捏造記事」とされかねないところかも。

情報源となった物理学者は、ウェブサイトの訪問でも二酸化炭素を排出することをいいたかった (1秒あたり約20ミリグラムだそうです) だけで、グーグルには全く言及しなかったとのこと。それを報じた英国タイムズ紙が、「グーグルが」「1秒間で7グラムの」二酸化炭素を排出、としてしまったということのようです。

タイムズは、日本でいうと朝日や読売に相当する大手新聞なのですが、こういったセンセーショナルな誤報を起こすこともあるんですね (日本でもあるのだけど) 。訴訟に発展する可能性や、誰かが責任を取って処分される可能性もあり、またなぜこのような誤報がなされたのか、徹底的な調査がなされるのでしょう。

ただ、グーグルのように巨大なデータセンターを持っているところだと、そこから排出される熱量や二酸化炭素も莫大になり、環境負荷を意識せざるを得ないでしょう。でもグーグルは、大規模な環境対策を行っているわけだし、その中でこの報道は痛手でしょう。反論するのは当然の流れかと。

そして気をつけなければならないのは、これまでは図書館や博物館で調査していたものを、居ながらにしてネットで検索できるようになった、ということ。図書館に行って調べるために必要なエネルギーや排出する二酸化炭素との比較で、どうなっているかという観点も必要だろうと思います。そう考えると、1回7グラムが事実だったとしても、かなり環境負荷は抑えられているのではないでしょうか。

2009年1月13日 (火)

「ミレニアルズ世代」とマスメディアの終焉

聞いたことのない言葉だったのですが、「ミレニアルズ (millennials)」とは米国で団塊ジュニア以降の世代を指します。「ジェネレーションY」という呼び方のほうが定着しているかもしれません。具体的には、1979年~94年生まれを指すようです。

仮説通りの結果と思われます。というのも、PCやインターネットがある環境で成長した初めての世代になるわけで、団塊ジュニア (米国風にいえば「ジェネレーションX」) の私たちが、テレビがある生活が当たり前に感じるのと同じように、PCやネットをインフラと見なしている世代です。テレビよりもネットのほうが、技術的に進化したメディアですから、そちらに流れるのは自然でしょう。

2つめの記事はミレニアルズ世代とは関係なく、テレビ同様、あるいはそれ以上に苦戦しているメディアである、新聞のありようにメスを入れた記事です。グーグルが、となっていますが、グーグルに限らずネットと新聞の関係を再検討する意図が見られます。

新聞やテレビがなくなる、ということは考えにくい。というのも新聞社やテレビ局以外に、事件の報道を誰がするのか、という問題は未だ解決しておらず、マスメディアに頼らざるを得ない事情があるからです。本来ならネットの即時性と双方向性を生かして、一般市民が報道する仕組みが整ってしかるべきなのですが、日本だけを考えてもその域に達するのは数年では足りないでしょう。

ということで新聞やテレビが、現状の枠組みを維持できなくなるとしても、当面は記事や番組という単位で現状を維持し、それらを私たちが自由に選び組み合わせる、というスタイルになるかと思います。新聞記事は新聞社の枠がなくなり、それぞれの記者の力量が真に問われる状況、テレビは番組単位で動画共有の仕組みに乗り、視聴回数やユーザのコメント・採点で評価されるようになるのでしょう。

最初のアンケートに戻り、調査をまとめたディレクターは「世界市場を相手にしている企業への影響は計り知れない」と結んでいますが、どうも的を外したように思えました。おそらく、ジェネレーションYの彼らは世界企業など相手にしないでしょう。ブランドにはとらわれず、真によいモノを選ぶのが今の若い世代。私たちの常識では首をかしげる行動もあるのですが、常識の枠を取り払えば、優れて合理的なのが、彼らの特徴ではないでしょうか。

2008年11月24日 (月)

Wikipediaにまたも犯罪予告、実は新聞社の勘違い

ここのところ多忙で出し遅れたのですが、この事件については書いておかざるを得ません。

毎日新聞をはじめとして、既存メディアのネット上の印象は総じてよくないし、どこかがミスをしたら大っぴらに煽るのがネットですからね。

一記者が記事を書いてから紙面に載るまでに、どこかでチェックが働かなかったのかと思いますね。今回の問題は時刻表示を読み誤ったという単純なミスですから、それがすべてのチェックをくぐり抜けてしまうのは、どれだけずさんなチェックなのかと思いますね。こういった小さなミスが、すべての記事の信頼性に関わることだ、という認識は持っているのでしょうか。

それでも私たちは、マスメディアに頼らなければならない。今回はウィキペディアの問題なので、自分も興味を持ってネット側の意見を見ていましたが、マスコミの存在を否定できないもどかしさというか、マスコミの代替が存在しないことを、ある種の諦観をもって理解している部分を感じました。ネットの側が自ら取材する能力を持つと、既存のマスメディアはひとたまりもなくなるように思うのですが、今のところはそういうエネルギーはないようです。マスメディアの皆さんも、生き残りを懸けるなら今のうちじゃないかなと思いますよ。

発端となったのは厚生事務次官の殺傷事件で、これ自身も非常に大きな事件でしたが、22日に容疑者は逮捕されています。もちろん、ウィキペディアとは何の関係もナシ。後味は……悪いに決まっているよなあ。

2008年10月19日 (日)

「ヨミダス歴史館」来春開始――未来の新聞とは

グーグルなどの取り組みを見ていると、こういうのは無償でやるべきだと思ってしまうのですが、過去の記事の資料的価値の考え方の差なのでしょうか。

さすがに月額27300円というのは個人には手が出ませんが、1986年以降の記事が検索できる「ヨミダス文書館」はすでにサービスが展開されていて、月額525円。朝日新聞も同様のサービスを行っていますが、こちらは月額3150円と記事ごとの従量課金ですので、かなりお高め。

一般紙のニュースサイトの記事はすぐにリンク切れになってしまうのですが、こういう有料サービスとの兼ね合いもあるのでしょうね。このビジネスモデルには賛同できない部分は多々ありますが、「古い記事を見たければ金を払え」と、そういうポリシーのようです。もっとも、図書館に行けば縮刷版が無料で見られるのですが。

将来的に、新聞はどうなっていくのか、気になる部分でもあります。紙面ベースの新聞がなくなったとしても、取材して記事を書くプロ、つまり「新聞記者」が不要になることはないでしょうし、かといって今のように無料でウェブで見られる状況では彼らの収入源を何から得ればいいのか、模索する必要があります。

将来は、現在のような新聞社の概念は崩壊し、新聞記者がフリーランスとなって各サイトに記事を売り込む形もあるのかもしれません。記者は記事を売ることで収益を得、良質の記事を多数購入したニュースサイトが閲覧者を増やして高い収益を上げる、そういったビジネスモデルです。雑誌のコラムニストは、これに近いのかな。いや、雑誌の場合は先に契約があるから、ちょっと違うか。

ネット時代に入り、新聞も複数の記事が合わさってひとつの商品を作り出す形から、記事そのものが商品となる形に移りつつあると思われます。その形に気づいた新聞社は生き残り、記事配信会社として生まれ変わる可能性はありますが、出遅れたところは市場からの退場を余儀なくされる。かなりドラスティックな未来を描いてみましたが、いかにもあってもおかしくない気がします。

2008年9月 9日 (火)

Google、過去の新聞紙面を掲載するサービスを開始

今のところ米国だけのようですが、日本でも、自分が生まれた日の新聞紙面を記念に取っておくサービスというのがありますね。

ちなみに私の生まれた日の前日には、日本ダービーでハイセイコーが敗れています (勝馬はタケホープ) 。日本のスポーツ新聞が検索できれば、1面トップはおそらくハイセイコーでしょう。

おそらくほとんどの人が、特に目的もなく自分の生まれた日などの記念日の紙面を開き、こういう事件があったのかと感慨にふけるものと思われますが、近現代史や社会学の研究者には非常に有用でしょう。これまでは図書館に行って、新聞の縮刷版を目で追っていかなければならなかったのが、自分の研究テーマを検索ワードにすることで、家にいながらにして自動的に該当する記事を拾い出してくれるわけです。

過去の文字情報のデジタル化は、グーグルがこれまでも取り組んできたテーマであり、たとえば書籍であれば「ブック検索」が始まっていますし、特に米国ではすべての書籍をデジタル化しようとしています。著作権の絡みがあるのですが、できればすべての情報がデジタルデータとして入手できるようになってほしい。グーグルが、あるいは別の企業でも同じですが、単一の団体がその情報を一括で管理するのは不安がありますが、その部分さえ解決できれば、死蔵された資料が息を吹き返すことになるのではないかと思います。

2008年8月30日 (土)

YouTubeも視聴できるテレビ、パナソニック「VIERA」で発売

ニコニコ動画もやってほしいのですが、こちらは難しいかな。ログイン情報などをどうやって入力・送信するか、というハードルもありますし。

いまやテレビもネット対応が当たり前になってきていますし、ネット上の動画共有コンテンツをテレビで見られるようにするのは、自然な流れなのでしょう。すでに米国ではYouTubeが視聴できるVIERAが販売されているとのことで、日本でも市場があると判断しての投入ということになるかと思います。

ただ、製品ラインアップを見ていると、微妙かな。YouTube対応テレビは、テレビと携帯電話はあるが、PCがない世帯に需要があると思いますが、そういう世帯は一人暮らしの大学生や新社会人がほとんどでしょう。そういう人たちが買うテレビが、ラインアップにあるような大型プラズマかというと、絶対違う。20型程度の液晶テレビにこそ、YouTube対応を謳うべきだと思うのですが。でも、小型~中型の液晶テレビだと、価格帯や購入者層でPCとバッティングするところがあり、ここにYouTube対応を入れてもうまみが小さいということもあるのかもしれません。

また、大画面のTVでYouTubeなどの動画を見ようとすると、解像度の問題が出ると思われます。スクリーンショットを見た限りでは、全画面での動画表示をしないのかもしれませんが、画質の粗さが目立ってしまう (ハイビジョンで放送されている番組が増えているので、なおさら) のではないでしょうか。

全体的に、注目はされてそこそこ売れるでしょうが、大きな成功になるかというと、そこまでは言えないように思います。ただ、YouTubeの利用者層がPC利用者から家族全体に広がる可能性を考えれば、悪い実験ではないようにも思いました。

2008年8月21日 (木)

YOMIURI ONLINE「発言小町」の人気の理由は?

マスメディア主導で、チェック (「検閲」) が入る掲示板サイト。表現の自由を最優先する人には、なぜこのサイトが人気があるのか理解できるのでしょうか。

月間1億PV。ネットレイティングスの史料から他の超大手サイトと比較すると、ヤフーが210億PV、楽天が38億PV、ウィキペディアが4億PVとなっていますので、「大手小町」 (「発言小町」を含む、YOMIURI ONLINEの女性向けサイト) だけで月間1億という数字が、どれだけの化け物かがわかります。1億PVを達成した記念に、発言小町のトピックスなどを表示するデスクトップガジェットを公開しています。

発言小町は匿名の掲示板サイトですが、投稿と掲載の間に管理者 (読売新聞編集部) のチェックが入り、不適切な内容は掲載されないなどの対応が取られています。このことで利用者には安心感があり、人気につながったと考えられます。

この対極は2ちゃんねる、そしてmixiのコミュニティも2ちゃんねるに近いでしょうか。いずれも発言がノーチェックで掲載されるため、暴言や中傷が止められませんし、2ちゃんねるはある意味荒れているのが当然、mixiも管理人の裁量次第ですが、荒れやすい仕組みになっています。

どちらがいいのかは、なんともいえません。表現の自由を最優先にして、結果として荒れるのはやむを得ないとするのか、荒れないために表現の自由が制限されることを受け入れるか。要はバランスですし、それぞれのサイトが独自の色を出していけばよいのだろうと思います。

あと、おもしろいのが、まとめサイトとしての「発狂小町」を容認しようとしていたこと。結局は「発言小町」ユーザーからの苦情を受け入れて削除依頼という形になりましたが、まとめサイトそのものとは共存していこうという立場のようです。

マスメディアとネットユーザーは、情報発信の主導権を争う形で、新旧の争いと見られがちですが、意外と多くの接点が見られるようです。何十年かあとには新聞社という形でのメディアは淘汰されるかもしれませんが、当面は共存できる部分は共存していくのが、望ましい形なのでしょう。

2008年8月19日 (火)

OhmyNews、Oh! MyLifeにリニューアル

OhmyNewsは「ニュース」と名乗ってグーグルニュース検索でもヒットするのですが、そもそも報道を行うメディアではないので、「ニュース」の枠を外すのは肯定的にとらえてよいと思います。

8月1日に発表されていたのか。今日になっていくつかのメディアが取り上げたので、完全に出遅れました。

「ニュース」というものを論じるとき、日本 (だけかどうかはわかりませんが) の一般市民が、マスメディアに持つ複雑な感情を考慮せねばならないでしょう。つまり、マスメディアを世論誘導、利益誘導の手先として忌み嫌う意見がある一方で、ニュースそのものはマスメディアの発表に完全に依存していることも事実。OhmyNewsのように市民発信のニュースサイトを作ろうとしても、結局はマスメディアに依存したものしか作れない、マスメディアと自分を比較して記事は書けない、という状況に陥ってしまいます。

それでもOhmynewsは健闘しているほうで、ウィキペディアと同じウィキメディア財団が運営しているWikiNewsの日本語版は、壊滅的状況。記事の数は非常に少なく、そのすべてがマスメディア報道をソースとしたものになっており、自分たちで取材して記事を書くという、ニュースサイトが本来行うべきであることができていません (ウィキニュースは独自の取材を情報源とした記事の執筆を認めています) 。日本という国はそういう国ですから、ニュースを書く人はごく一部の限られた人々になってしまうのは、やむを得ないのでしょう。

ということで、OhmyNewsは体験レポートを記事として掲載するサイトに生まれ変わり、名称もOh! MyLifeとなります。今度は、記事を書く側が日記の延長としてレポートを書けますので、ニュースを書くよりもずっと敷居が下がるのではないでしょうか。もっとも、サイトの性格上、そしてネットの特質もあって、ネガティブな体験談が増えそうですが……。

2008年6月24日 (火)

全番組を録画するHDDレコーダー「SPIDER zero」

昨今の著作権補償金問題などで、テレビ離れが進んでいると思いきや、こういう商品の需要は根強いんですね。ユーザーニーズと著作権管理の間に、どういう落としどころが見つかるのでしょうか。

自分もテレビを見なくなりました。見るには見るけれど、見たい番組の時だけ電源を入れるという感じで、とりあえずスイッチを入れておくということは元々なかったですし、結婚してからは妻もテレビ嫌いで、なくてもぜんぜん困らないと感じています。

ということで、自分がメリットを感じることはない商品なのですが、たぶん売れるのでしょうね。関東1都3県だけで発売ということですが、このエリアは深夜アニメの放送が多いですし、アニメファンも多いので、需要はあるでしょう。

ただ、この購買層が、著作権関係で権利者団体に反感を持っている層とも重なりそうです。番組は録画するし、個人で楽しむぶんにはいくらでも複製するが、権利者に金は落としたくない、という立場ですから、権利者側とは利害が競合します。この製品をめぐって、何かトラブルが起こる可能性もありそうで、今後の動きを注視したいと思います。

(2008/06/25 8:10追記) ※ウィキペディア連携の話を入れ忘れていました。

番組情報はデータ化されているので、そこから番組名や出演者名を検索したり、ウィキペディアの情報を表示したりという機能もついているようです。ウィキペディアが目指す方向とは違うような気もしますが、テレビ番組関係でもっとも広範な情報が出ているデータベースが、ウィキペディアであるのは間違いなさそうですからね。

8チャンネル分を同時に録画するので、1日分のデータをすべて見るには8日かかってしまいますが、必要な情報だけを検索して視聴することができるということで、テレビの視聴方法にも変化が現れるのではないかと思われます。

2008年6月23日 (月)

「学校裏サイト」の実態、求められるのは正しい報道か

意外と実態が知られていない「学校裏サイト」。考え方次第では、大学のmixiコミュだって裏サイトだといえなくはないが、そちらが批判の対象にならないのはなぜか。

広く定義すれば、学校の公式サイト以外の関連サイトが「裏サイト」と呼ばれることになるのでしょう。実際そのように定義されているようですし、「裏」と呼ぶことでネガティブなイメージを与えることにも成功しています。大学になってしまうと「裏サイト」という言い方はなされないのですが、この定義だとmixiのコミュニティも裏サイト扱いですよね。何が違うのでしょうか。

子供の側、親や学校の側、メディアの側のそれぞれに、問題を抱えているのだと思います。子供の側はいうまでもなく、いじめに代表される、人間関係の未熟さがあげられます。この時代だからいじめの場がネットになっただけで、本質的にはここ30年間何も変わっていないでしょう。

親と学校は、子供を監視下に置こうとしすぎているのではないでしょうか。上と矛盾する部分もありますが、ある程度は子供のやり方に任せておく部分もあっていいと思います。自分たちが子供のときは、けっこう自主性を尊重してくれていたような気もしますが、世間の誘惑や危険が増した以上、過保護にならざるを得ないのでしょうか。

メディアも、きちんと実態を伝え切れていないどころか、危険を煽るような報道が繰り返されているように思います。学校非公認のコミュニティサイトが「裏サイト」と呼ばれ、危険で悪いもののように扱われたのは、多分に報道の結果だと思われます。いじめの問題そのものにメスを入れられず、新しいメディアであるネットを標的とすることで、旧来メディアである新聞・雑誌やテレビが自分の居場所を確保する、という意味もあると考えるのはうがちすぎでしょうか。

これからなすべきは、学校非公認のコミュニティサイトについて、正確な実態を明らかにすることでしょう。陰の部分ばかりクローズアップされていますが、コミュニティの存在によって新しい友達が増えるとか、学校を越えた交流がなされるとか、そういった例はいくつも見つかると思います。プラスの部分もきちんと取り上げて評価し、非公認のコミュニティをどうにか教育に役立てられないか、考えるべき時期に来ていると思われます。もっとも、現在中学~高校生の子供たちが親の世代になる、10年から15年先には、こういった問題はあっさりと解決していそうなのですが。

2008年2月25日 (月)

P2P-Next始動、EUも1500万ユーロを提供

日本でP2Pというと、Winnyを代表として悪者扱いですが、技術的には十分可能性があるわけです。欧州の挑戦は成功するでしょうか。

日本でP2Pが悪者扱いなのは、著作権侵害を助長するツールであるとみなされ、とくに多くの著作権を持つテレビ局やレコード会社からは完全に敵視されているように思います。ところが、P2P-Nextプロジェクトには、BBCをはじめとする欧州各国の放送局が参加を表明し、EUも1500万ユーロ (24億円) の資金提供を行ったということです。

つまり、欧州は日本や米国 (ZDNetは対米国の視点で書いています) とは異なり、P2Pは既存のメディアの脅威になるのではなく、メディアが進むべき道であり、研究の対象であるという認識だといえます。欧州でもP2Pを利用した著作権侵害は大きな割合で存在しているのですが、合法な形でP2Pを利用した著作物のやりとりを行うことで、メディアの利益になるということなのでしょう。

研究の対象は、インターネットによる動画放送、そしてビデオオンデマンドのように、好きな番組を見たいときに見られるサービスの提供ということのようです。少なくとも日本では、テレビとネットの融合にはまだ時間がかかりそうですが、好きな番組がいつでも見られるようになれば、テレビ放送のあり方が変わってくると思います。その変化がよいのかどうかわかりませんし、場合によっては既存メディアの崩壊だけで、新しいメディアが生まれない事態もあるかもしれませんが、ともかく何らかの変化には期待してよいのではないでしょうか。

2008年2月19日 (火)

米CNN、新ニュースサイトiReport.comを立ち上げ

検閲はもちろん、記事の取捨選択や監視さえ行わない、完全にユーザー任せ。果たしてうまくいくのでしょうか?

新しい概念のサービスであり、2つの記事で概要が違っています。ITmediaはSNS的な部分を強調し、CNETは動画共有としてのサービスに焦点を当てています。ユーザーからニュースの写真・動画と記事文章を投稿してもらい、そのまま掲載するサービスということになりますが、ユーザーが「記者」として、記者同士のコミュニティ的な部分も作られるようです。

やってみなければわからない部分はありますが、不安の大きなサービスですね。市民記者の「質」がプロより高いことは考えにくく、お粗末な記事が量産されることや、いたずらや嘘の投稿が出てくる可能性もあります。

ただ、プラスに働くことも考えられます。というのも、マスメディアが取り上げないような「超ローカルニュース」に対するニーズが低くなく、全米あるいは世界のニュースよりも、自分の住んでいる街で起こった出来事のほうを知りたいという要望もあるのだと、以前見たテレビ番組で放送していました。実際そのような取り組みを行っているケーブルテレビ局もあり、一定の成功を収めているのだとか。

同様のサービスは、日本では厳しいでしょう。国土が小さいため、超ローカルニュースも地元の新聞社やテレビ局がカバーしていますし、市民はニュース記事を書くことは想定もしていないでしょう (せいぜい、インタビューに答えるか、写真や動画を提供する程度) 。むしろいたずらや記事のねつ造の可能性が高いわけで、日本のメディアは採用に踏み切れないでしょうね。

2008年2月 5日 (火)

朝・経・読「あらたにす」ってどうよ?

新聞社のサイトとしては画期的なのかもしれませんが、ネットサービスとしては、やっぱり微妙……。

ここまでITmediaとCNETの読者ブログ。オープンから5日たっていることもありますが、やはり関心の高さが伺われます。

ブログでの主張が否定的なところから入るのは、ある意味仕方がないかもしれません。新聞をはじめとするマスメディアと、ブログのベースとなる一般人の情報発信とは相容れないものであり、対立するほうが自然だと思います。そのなかで、「『ビジネス2.0』の視点」さんは建設的な提案をされていて、好感を持ちました。

Googleニュースを持ち上げて、あらたにすを落とすような評価もありましたが、Googleニュースもそれほど使いやすくないと思います。このブログを書くときのように、特定のテーマについてのニュースを検索するのには便利なのですが、最新の情報を得るのには、そうとう使い勝手が悪いです。まだしも、Yahoo!やmixiのニュースヘッドラインのほうが使えるかな。

で、みんなが気づいていてあえて書かないことがあります。GoogleもYahoo!もmixiも、マスメディアの書いた記事をそのまま配信しているだけ。マスメディアに比べて、取材能力が大きく劣る (あるいは能力がない) のが現状であって、配信サイトのほか、それらの記事を読んでいる私たちもマスメディアに依存せざるを得ないわけです。

強引にまとめますと、将来的には、「記事を作るところ」と「紙面を印刷するところ」が分業し、紙面印刷会社は複数の記事配信会社から記事を買って紙面を作る、ということが起こるのかもしれません。もっと進めば、顧客1人1人にあわせた紙面を作ることにもなるでしょう。「あらたにす」はその過渡期の産物だと思いますが、単に読み比べるにしても、もう少し構成を何とかしてくれないかな、と思うところはあります。これは今後の課題であって、サイト刷新ごとに改善するものと期待していますが。

2008年1月28日 (月)

47NEWSに障害発生、1日半後に復旧

障害自体はやむを得ないのですが、二重三重にミスが重なり、長時間のサービス停止となっています。

ITProの記事に詳しいのですが、(1)メインの記事DBに障害発生、(2)サブのDBに切り替えたが、ネットワークに障害発生、(3)復旧時にバックアップデータに文字化けが発生、という3つのトラブルが発生したとのことです。

これだと、何のためにサブのDBを用意していたのかわからないのですが、障害が起こるときは一斉に発生することもしばしばありますし、仕方がないのかなとも思います。もっとも、サブDBが単体で動くことを想定していない (メインが動いている前提でネットワークを構築している) という設計の不具合の可能性もあるので、ここは何ともいえないのですが、まあ大丈夫でしょう。

問題は、復旧時に文字化けを起こしたことですね。初歩的なミスのようにも思えますし、普通は考えられないミスのようにも見えます。バックアップしていたデータをそのまま復旧させればいいはずなのに、どこで文字化けが発生するのやら。謎です。

当然、再発防止策が必要。できれば防止策を公開してほしいのですが、企業秘密の部分もあるでしょうし、期待はしていません。私の勤め先もネットワーク関連の事業を行っていますから (このブログとか) 、他山の石となるのかもしれません。

2007年12月 7日 (金)

「日刊ゲンダイ」紙面を電子販売

おもしろい試みではあるのですが、ゲンダイの場合は紙面の中身をどうにかしたほうが (爆) 。

新聞 (ゲンダイは厳密な意味では「新聞」ではないのですが) は近年ネットに押され、発行数が減少しつつあるわけですが、何らかの形でネットと融合することが求められていますし、将来的にはそうせざるを得なくなるのでしょう。先日の朝日・読売・日経の提携もひとつの方向ですし、今回の新聞紙面の電子販売も画期的だと思います。

ただ、ネットで新聞紙面を買ってまで読みたい人がどれだけいるか、未知数であるといわざるを得ません。日刊現代は、その性格上速報性のある記事は少ないのですが (週末の競馬欄以外は、権力批判の記事が多く、時事性を重視しているとはいえない) 、ふつうにニュース記事を追うなら紙面そのものよりも記事単位で読みたいと思うのではないでしょうか。

ネット以前には、新聞記事のスクラップサービスとして、業界専門紙を含めた多数の新聞から、特定のテーマの記事を選んで配布するサービスが、企業向けに存在していました (今でもやっているかもしれません) 。スクラップサービスはネットとも親和性が高いですから、1紙の紙面そのものより、特定テーマで各紙の記事を比較しながら読むほうが、ニーズがあるような気がします。

2007年10月16日 (火)

TBSの「初音ミク」騒動について考える

VOCALOIDという合成音声技術について何も理解できなかったのか、ただ単におもしろおかしくやろうとしただけなのか。どちらにしてもTBSが敵を増やしたことは間違いないですね。

これだけ怒りの声が上がるということは、まだマスメディアが信用されていることの裏返しなのだろうと思います。自分はほとんどテレビを見なくなったのですが、メディアに対する不信というか、メディアからの情報がおもしろくなくなってきたように感じてからかなり経ちます。

そしてTBSの側から見ると、時代の変化を感じており、自分たちの立場が危うくなっているのに気づいているのかもしれません。時代の変わり目には、古い体制の側が抵抗するのは世の常でもあります。もっとも、新しければいい、時代が変わればいいというわけではなく、現代のような利益優先の世の中に変わってしまう前に、もっと抵抗しておかなければならなかったと思うんですけどね。

閑話休題。マスメディアはそういうものなのかもしれません。インターネットが発達する以前は、自分たち「だけ」が情報の発信者であり、自分たちが世論を動かしているという自負もあったのでしょう。それが、一般市民が情報を発信できるようになったことでマスメディアの立場は相対的に低下し、取材した情報をただ伝えるだけの役割に徹することもできず、どうしても無茶をせざるを得ないのでしょうね。

そういうわけで、自分はTBSのやり方にはとくに怒りは感じません。好きにやらせておけばいいのだし、これで初音ミクの評価が下がるわけでもないでしょう。マスメディアが暴走すればするほど、自分たちの首を絞めるだけだし、報道以外の部分については、彼らに取って代わるものはすでにできているわけですから。

2007年10月 2日 (火)

日経・朝日・読売 vs 産経・毎日・MSN?

ニュースサイトと新聞の対決という構図で見れば、新聞側が反撃に出ている状態。とはいえ、新聞がなくなるとニュースサイトも壊滅的打撃を受けるので、単なる対決の構図ではないのですが。

この提携は2つの視点で考えるべきだと思いました。ひとつはもちろん、新聞とネットとの関係です。新聞記事がネットで見られるようになり、新聞そのものが売れなくなってきているのは周知の通りで、今回の提携も対ネットの面が色濃く出ています。また、売り上げが落ちたことで販売店の統廃合も避けられず、3社の販売店を統合することで効率化することも提携の目的のひとつとなっています。

ネット上のニュースサイトは新聞に替わるものとなってきたわけですが、肝心のコンテンツは新聞に強く依存している状態です。自前の記者や取材網を持っていないニュースサイトの限界でもあるのですが、ニュースサイト側にしてみると、ライバルである新聞に打ち勝つことが、自分たちの破滅につながるわけで、難しい関係になっているわけです。

そしてもうひとつの視点が、大手5社の新聞社が2陣営に分かれる可能性。タイトルにも書きましたが、今回提携した日経・朝日・読売グループと、MSNと関係の深い産経・毎日グループ。現時点で産経・毎日の提携は噂にもなっていませんし、煙すら立っていません (むしろ両者の関係は悪いかも) が、MSNが仲介すればもしかするかもしれません。

もし、このような陣営の色分けがはっきりすれば、従来の販売体制を維持したい日経・朝日・読売と、ネットを積極的に活用していく産経・毎日という形になり、読者の支持いかんによって今後の新聞メディアのあり方が変わっていくことになるのでしょう。政治的には、5社の中で最も左寄りの朝日と、最も右寄りの読売が提携しているわけで、よくわからなくなりそうですが。

将来的には、結局はネットが無視できなくなると思います。もっと大きなニュースサイトが構築され、各新聞社はそのサイトに記事を売って、場合によってはそのニュースサイトが各社からの記事を紙に印刷して販売する、というようなことも起こるのかもしれません。そのときに生き残っている新聞社は、どこなのでしょうか。

2007年9月25日 (火)

神戸新聞の組版システムに障害、京都新聞が支援

よりにもよって神戸新聞杯 (競馬のメインレース) 前日に起きなくても……。

障害が発生したのが22日午前。組版システムのデータベースにアクセスできなくなり、22日の夕刊から製作ができなくなったとのことです。急遽、「緊急時援助協定」を結んでいた京都新聞の製作で紙面を製作し、神戸新聞の工場で印刷、配達。紙面が大幅に差し替えられ、配達も最大3時間遅れたとのことです。緊急時援助協定は、1994年に両社の間で結ばれていたもので、同協定による紙面制作の依頼は阪神大震災 (1995年) 以来2度目。

障害の原因はITProと神戸新聞の記事に詳しいのですが、組版システムのデータベース (DB) にアクセスできなくなったためとされています。システムは障害対策として二重化されていましたが、DBは冗長化されておらず、システム全体が動かなくなってしまったということでした。DBサーバーにアクセスできなくなった原因は現在も調査中ですが、DBを障害発生前のバックアップデータに戻し、システムを復帰させることができたということで、24日の朝刊から通常どおりの体制に戻っています。

新聞社は、1日に朝刊と夕刊の2回、あわせて約40ページの紙面を作らねばならず、それが1年365日ずっと続きます (1~2か月に1回の「新聞休刊日」はありますが) 。システムは動いていて当たり前なのですが、何十台ものマシンを常時動作させているわけですから、どこかが止まってもおかしくないし、その前提でシステムを組んでいきます。それがどこかでほころびがあると、今回のような大きな騒ぎに発展してしまいます。

新聞社のように止まることが許されないシステムでは、冗長化などのフェイルオーバーの仕組みを何重にも組み込んでおく必要があります。ですが今回、「究極のフェイルオーバー」として機能したのが、京都新聞との協定でした。システムの中だけで解決させるのではなく、外部のコンピュータネットワークと関係しないところにも対策を入れておくことで、より安定したシステムとなるということもできるでしょう。とはいえ、システム自体の障害の原因は、突き止められ対策が練られる必要があるのですが。

2007年9月20日 (木)

新生「毎日jp」発表会、なぜかブロガー席も

産経新聞にMSNを取られる形になった毎日新聞ですが、独自の方向性を目指します。

通常の記者席のほかに「ブロガー席」を設けており、ブロガーも記者発表に招待されていました (下2つの記事、つまりGIGAZINEさんも「ブロガー席」でした) 。つまりはブロガーからも情報を得て、サイトの目玉にしていこうということでしょう。

具体的には、ブロガーの書いた記事も掲載していくとのこと。CNETやITmediaが行っている「読者ブログ」のように、ブロガー側が記事を出すタイミングや記事数をコントロールできる形になるのか、ブロガーの記事を毎日新聞が受け取って、毎日側の主導で記事を掲載していくのか、そのあたりは不明です。ただ、毎日新聞との論調の違いがあっても、そのまま掲載していくというスタンスのようです。

もう一つの目玉は、AllAboutが参加することでしょう。生活・マネー情報に強い同社が協力することで、他社とはちょっと違った、新聞社らしくないコンテンツが見られることが期待できます。

当然ながら、批判も多いです。マスメディアとブログは時として対立する構造になりますから、マスメディアがブロガーを取り込むことができるのか、取り込んだ結果何が起こるのか、そもそも取り込んでよいのかどうか、というところについて、取り込まれるブロガーの側に不安が多いのでしょう。とはいえ、メディアがあってこそのブログだという部分もあるので (このブログなど、メディアの報道がないと成立し得ない。自分にはまともな取材能力はないし) 、あまり先鋭的に対立するのもよろしくないと思います。

自分は毎日jpに協力する気まんまんなんだけどなあ。でも、声をかけてくれるわけがないですか (笑) 。

2007年8月28日 (火)

MMORPG「メイプルストーリー」 × TVアニメ × 菓子

ロッテ「メイプルストーリーガム」に、大人買い警報発令。

……てゆーか、ガムなんかかまないのに8つも買うな > うちのヨメ

アニメは10月から、テレビ東京系で放送開始です。

ゲームの主要プレーヤー層である、小中学生をターゲットとした商品とストーリーということです (うちのヨメは20代後半なのですが……) 。ガムのほうは個別の包装紙にIDが印刷され、ゲーム内で入力することで専用アイテムが入手できるというキャンペーンを行っています。冒頭に「大人買い」としましたが、これを求めて大量購入する人が出てくる人は間違いなくいるでしょう。

そして10月から放送されるアニメですが、ゲームの世界観を使ったオリジナルストーリーになるようです。もっとも、MMORPGですので倒すべきボスキャラがいるわけでもなく、ストーリーはあってないようなものですので、オリジナルにならざるを得ないわけですが。ただ、この作戦、ゲームよりおもしろいストーリーが作るのは非常に難しいので、「下手こいたぁ~……でもそんなの関係ねぇ」ということになるのでしょうか。

オンラインゲームとしては珍しく、メディアミックス戦略をとっている「メイプルストーリー」ですが、今後はどのような展開を見せてくれるのでしょうか。

2007年8月23日 (木)

従来メディアはインターネットに駆逐される?

先月末、NHK BSでたまたま見たドキュメンタリーで、ロサンゼルスタイムズを取り上げた番組がありました。

ロサンゼルスタイムズのドキュメンタリーでは、株主の要求に応じて経費削減を求める経営側と、ジャーナリズムを追及しようとする現場との対立の構図が描かれていました。その中でインターネットとの関わりも扱われており、インターネットに従来メディアが押されていることにも言及されていました。

極端な話、旧来のメディアは消えてもいいと思っています。テレビやゴシップ誌はスキャンダルを追い求めるのみですし、新聞も速報性ではネットに勝てません。21世紀に入り、誰もがPCや携帯電話でインターネットに接続する時代になりましたから、ネットメディアがあればそれで充分ではないか、という気さえします。

ただし、ネットメディアに根本的に欠けているものがあり、それは「ジャーナリズム」という視点です。2ちゃんねるなど、匿名で誰もが参加できるコミュニティの成長の反面、刹那的で近視眼的なものの見方が増えているように感じます。ネット右翼という主張もありますが、これも感情的そのものですし、視野の狭い考え方だといえます。ただ近隣諸国がきらいなだけで、日本をどうしていくかというビジョンが見えませんし。

話を戻して、ジャーナリズムという視点に立てば、国の将来を左右するような大きな問題に、腰を据えて何か月、何年もかけて取り組み、一定の回答をもって社会を動かしていくのがメディアの役目になります。これは個人ベースのネットメディアでは非常に難しいですから、実行できるのは新聞やテレビ局などの旧来のマスメディアだけでしょう。

逆に言うと、マスメディアがすべてネットに取って代わられると、ジャーナリズムが死んでしまい、権力を監視する仕組みが失われてしまいます。ネットがジャーナリズムの性格を持つようになってもよいのですが、そこまでネットが成熟するには時間がかかりますから、旧来メディアの生き残る余地は残っているといえそうです。というか、旧来メディアはジャーナリズムにならないと生き残れない、ということです。

2007年8月20日 (月)

CATV区域外再送信裁定、地デジではどうなる?

徳島に住んでいるのでこの問題はものすごく敏感。なにしろ徳島県には民放が1局しかないのです。

今回の裁定が下った大分県は、民放テレビ局5局を持つ福岡県に隣接しており (大分県内の民放は3局) 、福岡県内を放送区域としている地上波の再送信を行っているケーブルテレビ局があります。デジタル化にあたり、民放側が区域外への送信を原則的に禁止しようとしている動きの中、裁定を受けることでケーブルテレビ側が生き残りをかけている構図です。

民放局の言い分、ケーブル局の言い分、どちらも一理あるとは思うのですが、やっぱり、いままで見られていた番組が見られなくなるのは困るので、少なくとも現状を維持する解決策をとってほしいと思います。おそらく徳島が最も影響を受ける地域で、民放8局 (MBS・ABC・関西・読売・大阪・サン・和歌山・四国) を受信できていたのが四国放送1局だけになる可能性もあり、何らかの救済策は必要でしょう。

もっというなら、地上波の放送区域を全廃して、日本のどこにいても、どこの放送局の番組でも見られるようになればと思います。関東の深夜アニメや、北海道の「水曜どうでしょう」、大阪の「ナイトスクープ」など、全国にファンがいる番組も少なくなく (どれもほとんど見たことはないのですが) 、放送区域の撤廃で恩恵を受けることになるでしょう。デジタル化により周波数帯に空きが出ますから、やるならこのタイミングだったと思うのですが。

でも、最近、地上波は見なくなったなあ。テレビをBGM替わりに使っている人もいるようですが、自分 (と妻) は見たい番組しか見ないタイプですし、その「見たい番組」がどんどん減っていって、いまは週に2~3時間見ているかどうか、ですね。そういう人が増えてきたら、民放テレビのビジネスモデルのあり方も変化を余儀なくされるのではないでしょうか。

2007年7月24日 (火)

テレビを見ながら感想を共有できる「FeelTag」

エアボード (ソニーの「ロケーションフリーTV」) のウェブサイト部分を構築する案件に関わっていたことがあったのですが、そのときにやりたかったことがようやく実現したようにも思います。

ただ、こういうサービスは、テレビ番組を受信するのと同じ端末でやりたいと思います。そういう意味ではかつてのエアボードでの取り組みは悪くなかったと思うのですが、何しろユーザー数が少なすぎました。ひとりでやっていても寂しいだけなので、たくさんのユーザーが同時に参加して、自分が見ている番組で他の人の反応がどうなのか、リアルタイムで知ることができるのが重要なのだと思います。

方向性としては、「ニコニコ動画」に近いのかもしれません。あちらは投稿された動画ですが、それがリアルタイムのテレビ番組に置き換わり、コメントは入れにくいので感情表現のアイコンになったというところでしょう。FeelTagは即時性があり、同時利用するユーザー数も多くなると思われますが、ニコニコ動画は情報が凝縮され (たとえば5分の動画を投稿して3日たった後の状態は、3日分のコメントが5分の中に凝縮されます) 、それによるおもしろさがあるので、どちらが優れたサービスかは判断できないですね。

視聴率が30パーセントに達するような番組であれば、あるいはそのような番組に絞って、サービスを行うのがよいのかもしれません。近いところだとサッカーのアジアカップと五輪予選、野球もクライマックスシリーズと日本シリーズがあり、スポーツ中継ではそれなりに強みを発揮するのではないかと思いました。あと、大晦日の歌合戦もおもしろいかも。勝手に勝敗を予想してみたりして。

2007年7月 6日 (金)

ネットの情報を盗用するマスメディア

マスメディアの人間は、自分の仕事に責任と誇りを持ってほしいです。ぶっちゃけ、素人の文章をパクるなっての。

まずはこっち。ウィキペディアの記述を静岡新聞が盗用。

そしてこれも。トレンド情報サイトの記述をFM東京の文字放送が盗用。

静岡新聞は1面のコラム (天声人語などのある位置) のもののようで、影響は大きそうです。また、FM東京は115回の放送のうち106回ということですから、常態化した悪質なものといえます。

マスメディアの報道をネットが盗用するのも、本来許されないものです (このブログは……、リンクだけだから許してほしいし、そもそも「盗用」ではないと思っています) 。このあたりの感覚が鈍くなった人が多く、ニュース系のブログでも、ひどいものでは記事をまるごと転記して感想は2~3行、というのも出てきています。ブログなら、リンクやトラックバックが使えるのだから、コピペで無駄に容量を増やすうえに、危ない橋を渡ることもないだろうと思うのです。

メディア側も、情報を得る際の判断が適切さを欠いていると思う部分があります。ウィキペディアの信頼度がどの程度のものか考えれば、少なくともプロの物書きが無批判に受け入れられるようなものではないといえます。ネットとは関係ありませんが、他紙では社説を盗用したという報道も過去にあり、不適切な判断というだけではなく、悪いとわかっていてもやってしまう、やらざるを得ないという状況も出ているのかもしれません。

少なくとも日本では、プロ (作家という意味ではなく、書くことで生計を立てている人すべて) もアマチュアも、物書きの能力が落ちてきたような気がします。理由としては、ペンがワープロに変わったから、というのは違うと思いますが (書く時間が短くなるのだから、そのぶん考える時間が増えるはず) 、情報を吟味しないでコピーですませられてしまうことと、そのために情報収集や精査がおざなりになっているのだろうという気はします。

あと、国語力が落ちてきたというのもあるのかもしれません。若い世代が目にする文字は、堅い書籍や新聞の文章から、力の抜けたネットや漫画の文章に変わってきており、力の抜けた文章しか目にしなければそれが標準だと思ってしまうところはあるでしょう。堅い文章を噛み砕く力をつけておかないと、将来自分が堅い文章を書くべきときに困ると思うんだけど。

2007年6月29日 (金)

MSN毎日→MSN産経、何が変わる?

考えてみたら、マスメディアでネット配信にもっとも積極的なのは産経系かもしれません。というのも……

このブログは各ニュースサイトの記事に依存していて、「RSSを提供しているところ」「Googleニュース検索でヒットするところ」しか取得できていません。さらに、「トラックバックを受け付けているところ」は優先的に選んでいます。

トラックバックを受け付けるニュースサイトはCNETやITmediaなどごく一部ですが、マスメディア系ではイザ!とフジサンケイビジネスアイがトラックバックを受け付けています。この2紙、いずれも産経系なんですよね。「イザ!」なんかは、時々とんでもない勘違い記事を出してくれますが、それでもトラックバックがあるということで非常に役に立っています。

冒頭の、「ネット配信にもっとも積極的なマスメディア」という評価は、こういったところから出ています。マイクロソフトも同じ面を高く評価したようで、「ネットに対していろいろ考えている印象があった」ことを提携先切り替えの理由としています。

今後の変化ですが、切られた形の毎日新聞は独自サイト (mainichi.jp) を立ち上げるとのこと。毎日と産経、そして朝日、読売、日経の大手新聞社が、ネット配信の部分でも切磋琢磨してくれることを期待しますが、大きな変化はないように思います。というのも、マイクロソフトがこの分野での影響力が限られており、提携先を変えたからといってそれほどの大事件にはならないだろうからです。

ただ、もっとも先進的な産経と組んだことで、MSN産経がニュース配信の新たなあり方を提案するかもしれない、という期待はあります。新聞の発行部数では出遅れている産経ですが、何らかの巻き返しがあるかもしれませんね。

2007年6月22日 (金)

Yahoo! がMySpaceを買収か

日本ではMySpaceはあまり知られていないかもしれませんが、世界最大のSNSだそうです。それを米国ヤフーが買収にかかるかも、ということですね。

この買収がなぜ「メディア再編」になるかというと、MySpaceの権利を持っているのが米国の大手メディアであるニューズ社。ニューズ社はSNSを手放す代わりにヤフーの株を得て、ネット関連全般に手を広げることができるという寸法です。

ヤフーはグーグルに先んじられ、巻き返しの手段として最大手のSNSを得るという話は悪くないと思います。ヤフー自身もSNSを持っていますが、あまり利用者が増えていないのが現状。日本の「Yahoo! Days」は、とうとう一般の登録ユーザー全員に開放することを決めたようですし。ちなみに、日本でのMySpaceの運営はソフトバンクが関わっており、ソフトバンクはヤフージャパンの大株主ですから、支障はないといえます。

この買収報道が事実となれば、その後はもっと大きな再編が待っていると思われます。ニューズがヤフーの大株主になるので、両社の合併や、ニューズによるヤフーの買収といった可能性もありそうです。それでも、昨今のトレンドでもある「報道と通信の融合」であり、悪い話ではないと思いますが。

2007年6月20日 (水)

テレビ東京がSecond Lifeに進出

どうせなら、(スカパー! & YouTubeに対抗して) 「ニコニコ動画」あたりに進出してほしかったかも。

各記事の主語は「三井物産」と「IMJ」なのですが、テレビ東京の視点から見てみます。なぜいまセカンドライフなのか、という疑問は残りますが、リスクを負ってでも業界内で先頭を切ることが大事なのかもしれません。もっとも、現時点ではセカンドライフの日本人ユーザは数万人規模に過ぎませんから、広告効果としてもほとんど期待できるわけではありませんし、リスクが大きすぎるような気はするのですが。

テレビ東京の持ちネタは、1. 経済番組、2. アニメ、3. モー娘。、といったところでしょうか。いま客が呼べそうなのは2くらいですし、何を見せるのかと思いましたが、昭和20~40年代の日本をテーマとした「テレトロ祭り」なんですね (説明するまでもないが、「テレ東」+「レトロ」=「テレトロ」) 。

テレビ東京は、個人的に応援したい放送局なのですが (経済も気になるし、なによりモー娘。ファンでしたし) 、この試みはどう評価すればいいのか微妙。自分が生まれる前くらいのレトロな日本も興味深いのですが、仮想空間で体験するくらいなら、セットの中でもいいから実地で見てみたいですし。

仮想空間とテレビ局のコラボをやるのであれば、仮想空間ならではのコンテンツを持ってきてほしいです。テレビ東京はアニメコンテンツを豊富に持っているのですから、アニメキャラを仮想空間に放り込んで、各参加者のアバターと同じ時間、空間を過ごさせればよいのではないかと思ったのですが……ダメ?

スカパー! がYouTubeに動画を提供

スカパー! も粋なことをやってくれます。名場面だけ公開して、全部見るのは契約してね、という局を上げての広告ですけど。

YouTubeの日本語版が出たことで、日本企業がいろいろな動きを見せています。その嚆矢となるのがスカイパーフェクトテレビ。スカパー! がコンテンツとして持っている、Jリーグのゴールシーンやドラマの第1回などを、YouTubeに提供するということです。

個人的には、Jリーグのほうが気になります。広告効果はドラマのほうが高そうな気がしますが (ドラマの1回目を見ると、続きが気になりますからね) 、自分がスポーツ好きですし、それにどうやってゴール集から売り上げにつなげていく戦略を持っているのかも興味があります。

並行して、スカパー! から無断でYouTubeにあげられた、つまりは著作権侵害となるコンテンツは、定期的に削除されるということです。これはスカパー! の広告とは関係なしに、行っていく行動のようです。

広告であるのは間違いないのですが、視聴者の側にもメリットがある、いわゆる「Win-Win」の関係になる戦略だと思います。他局、とくに地上波が、同様の動きを見せてくれるとうれしいのですが、難しいかなあ。

2007年4月26日 (木)

ブログはメディアになりうるか? --- 新聞vsウェブメディアvsブログ

ブログがメディアになることはない、と断言してもよいと思います。

4月23日に開催された「RTCカンファレンス」でのテーマ。日経 (新聞社) 、ITmedia (ウェブメディア) 、FPN (ブログ) の中の人がそれぞれの立場と意見を表明しています。

個人的には、ブログがメディアになるようなことは、考えられない事態です。なお、「メディア」の原義は「媒体」で、情報を運ぶものすべてをメディアと呼ぶことはできますが (「CDメディア」などの表現もあります) 、ここでは情報を発信する主体のこととして捉えています。

なぜブログがメディアにならないか。このブログは現在月間2000件ほどのページビューを持っていますが、仮にこれが1000倍になり、いわゆるアルファブログになったとします。でも書かれている内容は他のメディアの報道内容に頼っているわけですし、自分から取材して新しい情報を提供しているわけではない。つまりは情報量としてはゼロになるわけで、これがメディアだということはできないでしょう。

ほかのブログでも同様で、メディアたりうる、情報の発信を継続的に行えるブログはごく限られたものになるでしょう。可能性があるとすれば、地域のミニコミ誌のように、あるいはグルメ雑誌のように、ある一定の範囲・テーマでブロガー自身が取材した内容を発信するものでしょうか。とはいえ、この方向も、エッセイとの境界が難しいですし。たとえば「スタパブログ」をメディアと見なすかどうか、見解が分かれるだろうと思います。

もしメディアとなるブログが現れたとき、それはメディアとして情報を発信しようとしたものが、ブログを手段として用いたときではないかと思います。つまりブログの延長にメディアがあるのではなく、メディアからの情報発信手段としてブログが使われた、ということです。もちろん、メディアになりえないからブログはダメだ、というわけではなく、ブログはメディアとは違う方向性を持ち、既存メディアと相互に補完しながら成長していくことが望まれるのではないでしょうか。